書籍・雑誌

2008/03/19

フロスト日和

4488291023発売されるたび、年間ベストテンの上位を賑わす超人気シリーズの第二作。
「フロスト日和」です。
先月に「もっとすごい!!このミステリーがすごい!」が発売になり、書店は過去の一位作品が平積で並び、さながらお祭りのようなのです。

その中にデンと三冊並んだ分厚い本。それがフロスト警部シリーズでした。下品でいい加減なフロスト警部が感を頼りに、いきばたりあったりに事件を解決していく何とも風変わりな警察小説です。

以前から名前は知っていましたが、あまりの分厚さに敬遠していたのです。

でも、これだけ話題になっているのだからさぞかし面白いのだろうと、第一作「クリスマスのフロスト」から読み始めました。

「クリスマスのフロスト」は面白かったのですが、好みじゃないなという感じでした。作中の登場人物たちと一緒に僕まで振り回されてしまった感じがありました。

で、続けて読んだ第二作。これは大変面白かった!
こちらがフロスト警部のテキトーさやしょうもないジョークに慣れたというのもありますが、第一作より明らかに面白くなってます。

寒い秋の季節。デントンの町では連続婦女暴行魔が跳梁し、公衆便所には浮浪者の死体が転がる。なに、これはまだ序の口で……。皆から無能とそしられながら、名物警部フロストの不眠不休の奮戦と、推理の乱れ撃ちはつづく。中間管理職に、春の日和は訪れるのだろうか? 笑いも緊張も堪能できる、まさに得難い個性。『クリスマスのフロスト』につづく第2弾!

いくつもの事件が同時に起き、それを解決していくタイプの警察小説を「モジュラー型警察小説」というようなのですが、フロスト警部シリーズは同時に起きるいくつもの事件をフロスト一人で解決していく「一人モジュラー型」。次々と発生する難事件にフロストが不眠不休で挑みます。

そして、一見は無関係に見えた事件がだんだん集約していくのです。

お見事!

前回よりパワーアップしているフロストもお見事。笑いあり、涙あり、サスペンスありでサービス満載。
さすが現代最高峰の人気シリーズ。

現在、日本では第三作「夜のフロスト」まで刊行済み。原作は六作目まで出ています。
まだまだ楽しめるのですが、日本での発売ペースが四年〜五年に一冊なんです。

分厚い本なので出版までは大変な労力だとは思いますが、もう少しペースを上げてほしいものです。

とりあえず第四作を早く出してほしい。

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2008/03/03

カラマーゾフの兄弟

Cover01ドフトエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読み始めました。
エピローグ、解説など含めて全五冊。
しばらくはかかりきりになりそうです。

男なら誰でもそうでしょうが、漱石や太宰、藤村などの純文学を10代後半に読みあさりました。が、海外の古典に行き着く前に、アイリッシュの「幻の女」に遭遇。

大どんでん返しに感動し、そのままミステリーファンになり、純文学からはすっかり遠ざかってしまったのです。

気がつけば30代後半。
その昔買った「罪と罰」も読まないまま、どこかに行ってしまっていました。

そんな時、書店に平積みされた「カラマーゾフの兄弟」を見かけました。大ベストセラーになっているとのこと。
ドフトエフスキーといえば、読者を選ぶ難解な文章で有名です。

にわかには信じられない思いで手に取ってみたのです。
爆発的に売れている光文社の新訳版は読みやすさを重視し、平素な文章を用い、巻末には読む人の為の読書ガイドが付いているのです。

これなら、エンターテイメントばっかり読んでた僕にも行けそうだと購入。

読み始めました。

父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが……。

確かに読みやすい。
まだ読み始めたばかりなんで、面白いかつまらないかは分かりません。

でも、この文章なら読み続けられそう。

読み進んだらまたレビューしますね。

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2008/03/02

レベッカ

200203最近は復刊ブームのようで、古典的名作といわれる作品が次々と復刊されています。
しかも、ありがたいことに新訳で文字が大きくなっての復刊なんです。

名作は読んでみたいけど、字も小さいし文章も分かりづらいので敬遠していた人って多いと思います。

あの小さな文字追いかけてると、目が痛くなってきますよね。

で、文字を大きくして、文章を読みやすくしたら爆発的に売れたのが、「カラマーゾフの兄弟」。五十万部突破だそうです。

今、古典的名作が滅法熱いんです。まぁ、本が売れない今の時代、出版社があんまり冒険しないっていうのがあるかも知れませんが…

今回購入したのはゴシックロマンの金字塔、デュ・モーリアの「レベッカ」です。

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た――この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり……。

その昔、ヒッチコックの映画を見たのですが、原作は今回初挑戦。

ゴシックロマンというジャンルはあまり好きではなかったんですが、読んでみた感想。

噂に違わぬ面白さでした。
ヒッチコックの映画とは若干イメージが違いましたが、それはそれで楽しめました。

昔の作品なので、今のスリラーのような畳みかけるテンポではありません。

主人公が物語の舞台となる「マンダレー」に移り住むまで、120ページが費やされますし、移ってからも派手な事件が次々と起こるわけでもありません。
でも、それが逆に主人公が感じる恐怖やら疑念やらを徐々に高めていくのに一役買ってますし、こちらも腰を据えてじっくり読めるのです。
ノンストップスリラー全盛の今では逆に新鮮。

下巻に入ってからは急展開。先が気になりあっという間に読んでしまいました。

上下巻堪能いたしました。

次は満を持して「カラマーゾフの兄弟」に挑戦いたします。

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2008/01/27

新世界より

2143232待ちに待った貴志祐介氏の新作、「新世界より」がついに発売になりました。

「黒い家」「青の炎」などで有名なこの作家。
大好きな作家の一人で、三作目にあたる「天使のさえずり」からはすべてハードカバーで購入しています。

で、「硝子のハンマー」から三年半ぶりに発売された新作。もう年末からこの本を楽しみにしてまして、発売当日に本屋に駆け込み、すぐに読み始めたのです。

ここは汚れなき理想郷のはずだった。 1000年後の日本。伝説。消える子供たち。 著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!

子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる!

感想はといいますと…

期待は見事に裏切られました。
どの辺が面白いのかさっぱりわかりません。
あまり読みなれないSFということを差し引いても、僕には面白さが理解できませんでした。

作者の持ち味である、ねちっこいまでの恐怖描写もまったくなく、ダラダラと書き込み過多の文章が続きます。
加えて、感情移入を拒否するような登場人物たち。妙なネーミングもさらにそれを助長。主要キャラがバケネズミ、ミノシロモドキ、風船犬ですから。バケネズミたちがゲームの攻略本を教科書に戦争してるんですから。

感情移入出来るはずありません。

さらに。
とてつもなく長いのです。この内容に何故これだけの枚数が必要なのか?

上下併せて900ページの中で、やや面白かったのは上巻の途中まで。
中盤からは退屈な展開が続き、後半はもう並んだ活字が記号に見えて集中出来なくなってしまいました。

なんじゃこれは…

あらすじを読んで、少し嫌な予感はしていたのですが、今までこの作家に裏切られたことはなかったので、上下二冊4000円近くはたいて購入したんです。

貴志祐介氏は人気がトップクラスの作家です。新作発売の情報が流れれば、ネット上では騒然となります。発売されれば、書店では当然平積み。

この作家のファンって、手に汗握る描写が好きで読んでる人がほとんどなんじゃないですかね。

新作にはそういう長所はいっさい出てないような気がしました。新しい分野にチャレンジしたいっていう気持ちは買いますけど、今回のはないんじゃないでしょうか?

前作の「硝子のハンマー」から段々レベルがさがってきてるんですよね。
次の作品はいつ出るかわかりませんが、買うの躊躇っちゃいますねぇ…

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2008/01/23

空中ブランコ

9784167711023別に直木賞受賞の帯に惹かれたわけじゃないんですが、前から気になっていたので文庫化を機に読んでみました。

奥田英朗の「空中ブランコ」です。

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が……。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!? 
僕は常々小説で一番面白いのは、短編が集まって一つの物語を形成する連作ものだと思っているのです。

「赤ひげ診療譚」しかり、「新釈遠野物語」しかり、「探偵ガリレオ」しかり、「医者のないしょ話(笑)」しかり…

で、「空中ブランコ」はどうだったかといいますと。

面白かった。
電車の中で読んでいて、何度笑い出しそうになるのを堪えたことか。

もちろん、ユーモアだけではありません。
「変人」伊良部に翻弄されながらも、次第に癒され、自己再生の道を見つけていく人たち。
僕も読んでいくうちすっかり癒されたのです。
何といっても、伊良部の人物造形が抜群に良い。単なる変人キャラでは片付けられない魅力があります。
絶対いるはずがないのに、いてほしいような…
最初はただの変人だった伊良部が、いつの間にか名医に見えてくる。

この作品の後、「チームバチスタ」の白鳥のような亜流を数多く生み出しましたが、まだまだ足下にも及ばないでしょうね。

いまさら言うまでもないことですが、ほんとに傑作です。

久々に面白い本を読みました。

未読の方は是非読んでみて下さい。

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2008/01/22

シンプル・プラン

013562もはや古典的名作とも言えるスコット・スミス「シンプル・プラン」。何故か今まで読んだことがなかったのです。
近々、第二作が発売になるというので、また本屋に平積になってます。

最近は、一昔前の作品に新しく帯をつけて売り出すという商法が流行っているようです。

今回は特に読みたい本もなかったので、その商法に乗っかってみました。

ある雪の日の夕方、借金を苦にして自殺した両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄とその友人とともに町はずれの道を車で走っていた。途中ひょんなことから、彼らは小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。そこには、440万ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。何も危険がなく誰にも害が及ばないことを自らに納得させ、3人はその金を保管し、いずれ自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた。だがその時から、ハンクの悪夢ははじまっていたのだった。スティーブン・キング絶賛の天性のストーリー・テラー、衝撃のデビュー作。

95年度このミス一位。話題にもなり、映画化されているのになんで今まで読まなかったのか、読んでいくうちに段々と思い出してきました。

ふつうの生活を営む人々が、大金を手に入れた事から道を踏み外していく。読み進めていくうちに、ハッピーエンドは有り得ないということにすぐ気づきます。
ハッピーエンド好きの僕が読まなかったのは至極当然なのでした。

それにしても、主人公達の選択が常に最悪の結果を生む様は読んでいて苦しくなります。
中盤からはいとも簡単に、次から次へと人が死んでいき、読んでいるこちらの感覚も麻痺していきます。

主人公達が徐々に正気を失っていく様が、淡々と描かれていくのです。

怖い怖い…

後半はまさに怒涛の展開なのですが、もうあまりにあっさり人が死んでいくので、漫画みたいに現実感がなくなっていきます。

最後は無意味なほどの殺人のオンパレード。

なんか読んでて疲れました。この手の不幸の連鎖モノはやはりあまり好きじゃないですね。

新作購入は解説読んで検討します。

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2008/01/09

治療島 ラジオキラー

セバスチャン・フィツェックの「治療島」と「ラジオキラー」を正月に一気読みしました。

9784760131679先ずは「治療島」から。フィツェックの処女作にして、本国ドイツで記録的ベストセラーを記録した話題の作品。

目撃者も、手がかりも、そして死体もない。著名な精神科医ヴィクトルの愛娘ヨゼフィーネが、目の前から姿を消した。死に物狂いで捜索するヴィクトル、しかし娘の行方はようとして知れなかった。4年後、北海にある小さな島の別荘に引きこもっていた彼のもとへ、アンナと名乗る謎の女性が訪ねてくる。自らを統合失調症だと言い、治療を求めて妄想を語り始めるアンナ。それは、娘によく似た少女が、親の前から姿を隠す物語だった。話の誘惑に抗し難く、吹き荒れる嵐の中で奇妙な《治療》を開始するヴィクトル、すると失踪の思いもよらぬ真実が・・・・・・
僕のようなすれっからしの読者じゃなくても、ほとんどの人が途中でオチがわかってしまうでしょう。 さらに、ストーリーがハリウッド映画そっくり。 ネタバレになるので詳しく書きませんが、あまり話題にならなかったサイコスリラーです。観た人なら尚更、先が読めます。

なので、それほど斬新な話とも思えません。もう手垢のついたジャンルといいましょうか…
もう一ひねり欲しかったですね。

だからといってつまらないという訳ではなく、リーダビリティは非常に高く、徹夜本の部類に入ると思います。後半はページをめくるのももどかしい。
スリルとスピード満載です。

大ヒットした理由が分かります。
でも、文庫で読みたかったなぁ。

9784760132652で、第二作の「ラジオキラー」。12月に出たばかり。平積みになってます。

その日が、彼女の人生最期の日となるはずだった。高名な犯罪心理学者でベルリン警察の交渉人イーラの心には、長女の自殺が耐え難くのしかかっていたのだ。しかし、ベルリンのラジオ局で起こった、人質立てこもり事件現場へと連れ出されてしまう。サイコな知能犯が、ラジオを使った人質殺人ゲームを始めようとしていたからだ。おまけに犯人の要求は、事故死した婚約者を連れてくるという不可解なものだった。リスナーが固唾を呑む中、犯人との交渉を始めたイーラは、知られたくない過去を、公共電波で明らかにせざるをえなくなる。そして事件は、思いも寄らぬ展開へと、なだれ込んでいくのだった……。

残念ながらこちらは凡作。

元ネタはハリウッド映画で、ストーリー進行まで似通ってます。こちらは大ヒットしたので、観た人ならピンときます。この作家はオマージュ作家なのかな…

内容も平凡なら、さらに作品を凡作にしているのが、翻訳の悪さ。
拙いというかなんというか…

原文も良くないんでしょうが、今時「ドキッとした」「ビクッとした」という表現を連発するスリラーというのもちょっとねぇ…
帯の文句、「これから皆さんに最悪の悪夢をお届けします」もなんか幼稚な文章だし。
文がまともならもっと集中して読めたかな。

おすすめするなら「治療島」のほうですかね。

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2007/12/28

ストリップ

433402デビュー作「インモラル」が話題になった、ブライアン・フリーマンの新作「ストリップ」が刊行されました。

「インモラル」が発売されたのが、今年の3月ですから出版ペースが相当早い。
早川イチオシのホープってことです。

で、読んでみました。

ラスヴェガスの路上で娼婦と行為中、男が射殺された。捜査を始めたストライド刑事は、事件前に被害者の変態的なセックス画像がネット上に流出していた事実を知る。そして次々現われる容疑者たち。男に妻を寝取られた俳優、被害者と確執のあった父親、闇社会を牛耳る実業家。同じ頃、別の町で少年が轢き殺された。やがて事件は意外なつながりをみせ……インモラルが溢れ出すエロティック・ミステリ。

この作家、エンターテイメントの才能ありますねぇ。
今回は持ち味のエロティックサスペンスに加え、後半はノンストップアクションもあります。後半のドンデン返しの連続はディーヴァーを彷彿とさせます。ひたすらページをめくらせることに徹しているのです。

今回もイッキ読み。堪能いたしました。
前作よりも格段に巧くなっています。俄然、続編が楽しみになってきました。

「このミス」には見向きもされなかった作家ですが、新潮社あたりで発売されていたらもっと話題になっていたでしょうね。

帯の「インモラルよりインモラル」っていうエロを前面に出した売り方もちょっともったいないかな。

買いづらいですよね…

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2007/09/19

NEXT

Nextクライトンの新作「NEXT」がいつの間にか発売されていたので、早速購入しました。
ハードカバー上下2巻を4日で読破。もっとゆっくり読まないともったいない。

今、遺伝子テクノロジーが危ない! ヒトの遺伝子をチンパンジーやオウムに導入したら? 自分の細胞が知らぬ間に売られていたら? 悪夢のよな世界が扉を開く! 

さすがクライトン、話題のテーマを外しません。
今回のテーマは遺伝子研究が進んだ未来に人類を待っている物、といったところ。

作中に出てくるエピソードは、クライトンが未来を予想して作り出した空想だと思って読んでいたのですが、なんとほとんどが実話だとか…

例えば…
発見した遺伝子にはすべて特許が認められる。当然、他の機関が研究するにも莫大な特許権料を支払わなくてはならない。そのせいで新たな治療の研究が大幅に遅れてしまう。
という描写があります。
実際、SARSウイルスが猛威をふるっていた頃、遺伝子の特許の持ち主が分からず研究が大幅に遅れた、ということがあったようです。
恐ろしい…

読んでみると、内容はかなり専門寄りで、ある程度は予備知識がないと厳しいのではないかという気がします。
サイトカイン、キメラ、トランスジェニックなどといった用語がポンポン飛び交います。

とはいえ、後半からはいつも通りのノンストップぶり。相変わらずのページタナーなのです。
早く次の作品出ないかなぁ。

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2007/09/18

トーテム 完全版

Totemマレルの「トーテム 完全版」読みました。
まだ若かりし頃、昭和の終わりだか平成の初めに、完全版ではないオリジナルの「トーテム(早川書房)」を読んだんですが…

当時は、キングの大傑作「呪われた町」にインスパイアされて書いた作品という触れ込みだったのでかなり期待したものの、実際読んでみると軽めのB級ホラーで内容は薄く、あの「呪われた町」には到底及ばない作品という印象でした。

しかし、実はオリジナル「トーテム」は編集者の意図によって、改変を余儀なくされた作品だったのです。長すぎるとか、主人公が登場するのが遅すぎるとか…

で、出たのが今回の「トーテム 完全版」。改変前の原稿に、新たに手を加えたものです。
オリジナルよりページ数も倍以上になり、ストーリーにも若干違いが出ております。

噛み裂かれた雄牛の死骸。その検死にあたった老獣医師の謎の急死。雄牛と同様に惨殺された男…地方都市ポッターズフィールドで連続する怪事件に翻弄される警察署長スローター。かつてこの街でヒッピーたちに君臨したカリスマ、クイラーの足跡を追う雑誌記者ダンラップが、コミューン跡の廃墟で見たのは…?改変と短縮を余儀なくされたマレルの代表作が完全版で復活する。

マレルの作品は、テンポが良くてハラハラドキドキ満載なのですが、イマイチ安っぽい感じの作品が多い。
でも、この完全版。登場人物の心理描写を丁寧に書き込んでいるため、軽い感じは影を潜め、作品全体に重厚感があります。とてもマレル作品とは思えないほど。
かといってストーリー展開がスローになったかといえば、決してそんなことはありません。
相変わらずのページタナーぶり。

オリジナルのB級ホラーの雰囲気は影を潜め、一級のホラー風冒険アクションに仕上がっております。

マレルの作品は色々読みましたが、これが彼の最高傑作ではないかと思います。

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2007/09/17

ワイルドソウル

Wildsoul本屋に平積みの話題作「ワイルドソウル」を読みました。政府、外務省の無責任なブラジル移民政策のために、すべてを失い辛酸をなめた男たちの復讐の話です。

一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大級の愚政“棄民政策”。その四十数年後、三人の男が東京にいた。衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。

ブラジル移民たちの悲惨な末路を綴った前半部分は、迫力満点で胸に迫ります。棄民政策といわれる政府の無責任極まりない移民政策。
年金問題やら教育問題やらで、モラルハザードが問題視される日本ですが、この国には昔からモラルなんてなかったと言われると、ごもっともとしか言葉を返せません。

中盤からは彼らの政府への復讐が描かれるのですが、実行に移るまでの描写がちと長すぎ。
中だるみします。
しかし、いざ復讐が始まると、ストーリーは加速しはじめ一気に読み切ってしまいました。

外務省のビルが襲撃されたり、役人たちがひどい目に会う作品がこれだけ絶賛されるっていうのを、役人さん達も考えた方がいいっす。相当恨み買ってますよ!
すごくスカッとしましたもん。

作品としては、久々にあっぱれな冒険小説を読んだ感じなんですが…

難を言うなら、犯行終了後に警察に追われる立場になった犯人たちと、警察の緊迫した頭脳戦がもう少しあってもよかったかと。

犯人たちが追い詰められ、あわや逮捕寸前まで行くと、もっと盛り上がったのに…

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2007/06/26

赤い砂塵

5187s7295ylデイヴィッド・マレルの「赤い砂塵」を古本屋で見つけ購入。さっそく読んでみました。

マレルの作品は滅法面白い。3日で読破。

元軍人の画家チェイスは、武器商人の妻シェンナの肖像画を描くため、荒野に建つ武器工場をかねた邸に招かれた。 武器商人の三人の前妻がみな肖像画の完成後に不審な死を遂げていることを知り、チェイスはシェンナを救う決心を固めていた。 画を描くうちに二人は心を通わせ、非情かつ危険な夫からの脱出を謀る。 ヘリコプターを奪い逃亡した二人に、武器商人の執拗な追手が迫る。 情熱的な愛とアクションにみちた傑作冒険小説。

マレルは息子さんを若くして亡くし、精神的に病んでしまい、それ以降長いスランプがあったそうなのです。

本書の解説によれば、「赤い砂塵」はマレルがようやっとスランプから脱した作品なのだそうです。とにかくページをめくらせてくれます。

息子さんを亡くした影響なのか、マレルの作品って、ハリウッド的ハッピーエンドになることがあまりない。
これだけ面白いのに映画化しないのは、そこに原因があるかも知れないです。

実は私、嫁さんに相当バカにされているほどのハッピーエンド好き。映画観てもハッピーエンドじゃなきゃ、「金返せ」と言いたくなるくらいなんです。

なので、マレルはものすごく好きというわけではありません。それでも、マレルの作品では常に悪人はこっぴどく打ちのめされます。悪は滅び正義は勝つわけです。
しかも、滅法面白いので誘惑に負けて読んでしまうのですよね。

とにかく面白い。でも読んだ後には何も残りません。
ですが、現実ではありえない勧善懲悪の世界に浸るのもたまにはいいもんですよ。

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2007/06/25

復讐はお好き?

9784167705497最近面白い本に巡り会わないなぁ。もう読み尽くしたかなぁ。
小説読みすぎてかなりのすれっからしになってきてるから、多少の事じゃ面白いと思わなくなったせいかも。

「テレビがつまらなくなったんじゃない。あなたがつまらなくなったんだ。」って、テリー伊藤氏が言ってました。
いやいやテリーさん。テレビはつまらなくなってますよ。

話は変わりますが、未だ未読の作家ながら、読書の達人として尊敬する児玉清氏が絶賛する、カール・ハイアセンの新作が出ていたので読んでみました。
「復讐はお好き?」です。

あの男、許さない!―結婚記念旅行の途上、夜の海に突き落とされた女、ジョーイ。九死に一生を得た彼女は、元捜査官のミックと手を組み、自分を殺そうとした夫への復讐を決意した。自分は死んだと思わせて、徹底的に意地悪な仕返しをしてやる!痛快軽快な傑作サスペンス。さくっと胸のすく物語をお探しなら是非どうぞ。
本国アメリカでは大人気なのに、日本での人気はイマイチ。その理由は恐らく、彼のコミカルな作風によると思われます。 日本人とアメリカ人は笑いのツボが違いますもんねー。 実際読んでみると、シニカルなユーモアのセンスは素晴らしいし、読者を飽きさせないストーリー展開。さすがベストセラー作家、新作が出れば読んでみようと思うんですが、やはり日本では人気出なそうですね。

登場人物たちがウィットに富んだ会話を展開し、ストーリーには大きいヤマがなく、小さいヤマが続くというタイプの海外小説は日本では受けないような気がします。
笑うところが違うんですものね。
伊坂幸太郎をいきなり海外に持っていっても、売れそうもないのと同じです。

個人的には非常に気に入ったのですが、既刊はすでに本屋から姿を消しつつあり、入手困難。人気ないんだなぁ…

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2007/04/10

飛蝗の農場

44882350692003年度版「このミス」第一位のミステリーです。

ヨークシャーの荒れ野で農場を営むキャロルのもとに、奇妙な男が転がりこむ。不運な経緯から彼女は男に怪我を負わせ、回復までの宿を提供することにしたのだが、意識を取り戻した男は、過去の記憶がまるでないと言う。幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、圧倒的な筆力で紡がれる悪夢と戦慄の謎物語。驚嘆のデビュー長編!
で読んでの感想。 確かに面白かった。ページをめくるのがもどかしいほど。2日で読み終わったのだから、それは確かです。 けどよくわかりませんでした。全部読んだのに謎だらけ。謎を残して話が終わる感じが一昔前のサイコスリラー。 全部謎解きすると大したことない話なんだろうな、きっと。 どうも、すっきりしない。 評論家筋の評価はかなり高いようですが、この作品が火付け役になってサイコスリラーブームがまた来るとも思えない。やはりもう終わったジャンルなのですかねぇ。ピンと来ません。

昔から「このミス」は奇をてらって、こういうのを一位に持ってくる傾向がありますけどねぇ。これが一位ですか…

読み終わっても謎が残るのってあんまり好きじゃないんですよね。
作者が作品中で説明しなきゃ、誰もわかんねーよって感じがして。

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2007/03/31

ハンニバル・ライジング読了

Hannibal_rising「ハンニバル・ライジング」読み終わりました。内容としては、まさにエピソード1。ハンニバル・レクターがいかにして怪物となったかというお話なのですが…

予想通り、「羊たちの沈黙」「ハンニバル」と比較すると、映画化を最初から意識しすぎたのか、まるでノベライズのようです。

特に両親の死亡から、悪役の襲撃、妹の死亡という流れがあまりに平坦に描かれてます。伏線を張り巡らした前二作までとはあまりに違います。
どうした、ハリス?

後半、ハンニバルが復讐をしていくくだりもこれまた単調。結果がわかってるだけにハラハラドキドキ感はあまりないのです。

前作から、ハンニバルは悪人しか殺さないような感じになっていて、今作ではそれがさらに顕著になっています。
許しがたい悪人たちを次々始末していく姿は、殆ど「必殺仕事人」のノリ。稀代の殺人鬼というよりは、ダークヒーロー。「羊たちの沈黙」までは相当な悪人なんですが…
キャラ変わってきてます。

と、欠点ばかり挙げてしまいましたが、3日間で読み終わってしまったくらいですから、相当リーダビリティは高いです。
ハンニバル・レクターシリーズの最新作と考えずに読めば、他の凡百の作家が太刀打ち出来ないくらいの仕上がりになってます。

ただハードルは高くなってるんですよね、こちらの。

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2007/03/27

ハンニバル・ライジング

Hanトマス・ハリスの「ハンニバル・ライジング」がついに発売!
待ちに待った大作っす。
最近、翻訳ミステリーは元気ないですからねぇ。こういうビッグネームの新作はワクワクします。

ハンニバル・レクターシリーズは今回で四作目。
もういいんでないの?って気がしないでもないですが、何せこのシリーズはサイコスリラーの元祖みたいなもんですから、続きが出たらすぐ読んじゃうのが人情ってもんです。

今回は、レクター博士が「人喰いハンニバル」になるまでのお話らしいです。

1941年、リトアニア。ナチスは乾坤一擲のバルバロッサ作戦を開始し、レクター一家も居城から狩猟ロッジへと避難する。彼らは3年半生き延びたものの、優勢に転じたソ連軍とドイツ軍の戦闘に巻き込まれて両親は死亡。残された12歳のハンニバルと妹ミーシャの哀しみも癒えぬその夜、ロッジを襲ったのは飢えた対独協力者の一味だった……。ついに明かされる、稀代の怪物の生成過程!

さっそく読んでみませう。寝不足注意。

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2007/03/18

インモラル

433401ブライアン・フリーマンの「インモラル」(早川書房)読みました。帯にはあのジェフリー・ディーヴァー絶賛と書いてあったので迷わず購入。

〈マカヴィティ賞最優秀新人賞受賞の傑作官能サスペンス〉町中の男達は皆その女子学生の虜になった。忽然と消えた彼女は、義理の父に殺されたのか? やがて明らかになる淫らな真実とは?

謎が謎を呼ぶドンデン返しの連続で、楽しく読めました。
ノンストップスリラー独特の、読んだ後は何も覚えていない爽快感。悪者は裁かれ、主人公は立ち直る。
小説はこうでないとね。
ラストの大オチもお見事。続編も決まっているようです。

肝心の女子高生の性格描写が今一つな気がしますが、新人なので今後に期待しませう。

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2007/03/12

廃墟ホテル

Hotel日本では「ランボー」の原作者として知られるデイビッド・マレルの新作「廃墟ホテル」を読みました。一時期、書店から消えた作家ですが、最近また見直されてきているようです。「トーテム」の完全版も去年出ましたし。

廃墟を探検するクリーパーと呼ばれる人達が主人公。検索すると、日本にもクリーパーはいるらしい。そういえば、幽霊ホテルなんかの探検がテレビでやることありますもんね。
あーいうところに忍び込むのは幽霊よりも、忍び込む人達を狙った犯罪者のほうが怖い気がします。

忍びこむ者――廃墟のもつ魅力に取り憑かれた彼らと共に、新聞記者バレンジャーはかつての豪華ホテルに潜入した。畸形のネズミ、5本足のネコが棲まう建物を探索するうち、秘密の通路を発見!オーナーの大富豪、カーライルはそこから客室を覗いていたのだ。そして客室で起きた殺人、虐待といった惨劇の痕跡を保存したまま彼はホテルを閉鎖していた――その異常な光景を目にした瞬間、一行の背後に怪しい影が忍び寄る。

ジャンルからすると、サバイバル・ホラーまたはサバイバル・アクションといったところでしょうか。序盤からグイグイと読者を引っ張り、飽きさせない展開はさすが。
中盤からはハラハラドキドキで目が離せません。
各章の終わりに意外な展開が用意されていて、それが読書の中断を許しません。あっという間に読破しました。
こういうローラーコースタースリラーは読んでいて疲れます。
読み終えた後はクタクタになりました。

面白かったのですが…

この手の作品によくあるように、意外な展開を作り出すために、実にあっさりと唐突に主要人物達が死んでいきます。
フレディやジェイソンが凶器を持って登場すると、観客たちが拍手や口笛で迎えるお国柄の小説といってしまえばそれまでですが、あまりに人命軽視。

ストーリーに意外性を持たせるために展開が行き当たりばったりな印象も持ちました。話に一本筋が通ってないというか…

ドンデン返しの連続というのはストーリーの破綻ギリギリのところでせめぎ合うので、一歩間違うと「なんじゃそりゃ?」ってなってしまうもんですが。

まぁ、大傑作とは言えないけれど、B級映画を楽しむ感じで読んだらかなり良いと思います。

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2007/02/02

華麗なる一族

Itiテレビドラマ化に便乗して「華麗なる一族」読んでます。
私、「ドラマ化」「映画化」の言葉に滅法弱い。

今、中巻の真ん中ぐらい。なんとかドラマの進行を追い抜きました。

山崎豊子女史お得意の、利権に絡むドロドロがこの作品でも炸裂しております。
利用する側もされる側もずる賢い。それに親と子の対立が加わり、ドロドロのグチャグチャなんです。

万俵大介も高須相子も美馬中もほんとに悪い奴。
そんな彼らの策略に、鉄平や三雲頭取が翻弄される姿は読んでいて苦しくなります。

タイトルの「華麗なる」は完全に反対の意味で使われていて、家族をも利用し閨閥作りに精を出し、やがてカタストロフィを迎える一族に皮肉を込めてつけられたタイトルです。

こういうの読んでると、つくづく普通の家に生まれて良かったな、と思うわけです。

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2007/01/20

翔ぶが如く

Tobu明治初期の激動の日本を描いた司馬遼太郎の「翔ぶが如く」。
11月から読み始めて、全10巻をようやっと読み終わりました。
西南戦争の始まる7巻までのつまらなさに辟易しながらも、我慢することひと月半。7巻からはド迫力の戦争描写に圧倒されながら、夢中でページを捲りました。

この作品、歴史教科書のような前半と、戦争映画のような後半で印象がまったく違います。後半のリーダビリティの高さは名作「坂の上の雲」に匹敵すると思うんですが、5巻くらいまではページを開くだけで眠くなりました。

この作品の狙いとしては、近代日本の基礎となった明治初期の日本の成り立ちを描くことにより、現代の日本を浮き彫りにするというものですから、征韓論などに多くページを割くのは仕方ない。

読んでいて勉強になったのは、この当時の官(当時は太政官と言いました)の発想が今とあまり変わらないということ。つまり、国は官のためにあるのであって国民のためにあるのでないということです。
敗戦を経てもこの思想は変わらず現在に至り、国が借金だらけにも関わらず、天下りしたり裏金ストックしたり無駄使いしたりして国民に寄生する。この構造は明治時代から始まっていたということです。

話は変わりますが、子供の頃に博物館で「かちあい弾」というのを見たことがあります。
西南戦争の頃、敵味方が撃った銃弾が空中でぶつかりあい一つの塊になったものです。子供の頃は、その偶然性に思いを馳せ、感動したものでしたが、作品を読んでそれが勘違いだったことがわかりました。
激戦の地、田原坂では官軍が30万発の銃弾を使用したそうで、銃弾同士が空中で衝突したのは偶然ではなく、それだけの銃弾が飛び交った壮絶な死闘の結果だったのです。現に田原坂付近では「かちあい弾」がゴロゴロしていたそうな。

今回の「翔ぶが如く」。感情移入できる主人公がいないのと、前半のつまらなさを考えると万人向けではありませんが、7巻まで我慢できる方はどうぞご一読下さい。7巻以降はすごいです。

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2006/11/06

12番目のカード

待ちに待ったディーヴァーの新作「12番目のカード」が出ました。

Card

ハーレムの高校に通う十六歳の少女ジェニーヴァが博物館で調べものをしている最中、一人の男に襲われそうになるが、機転をきかせて難を逃れる。現場にはレイプのための道具のほかに、タロットカードが残されていた。単純な強姦未遂事件と思い捜査を始めたライムとサックスたちだったが、その後も執拗にジェニーヴァを付け狙う犯人をまえに、何か別の動機があることに気づく。それは米国憲法成立の根底を揺るがす百四十年前の陰謀に結びつくものだった。そこにジェニーヴァの先祖である解放奴隷チャールズ・シングルトンが関与していたのだ…。“百四十年もの”の証拠物件を最先端の科学捜査技術を駆使して解明することができるのか?ライムの頭脳が時空を超える。

ディーヴァーといえばどんでん返し、というくらい彼の作品はどんでん返しの連発です。今回もあざといどんでん返し連発で、ページをめくるのももどかしい傑作に仕上がっていますが・・・
いくつかの書評に見られるように、ひねりすぎてストーリー自体が破綻するという、ディーヴァーの短所がもろに出てしまった感じがします。

前作「魔術師」あたりからその傾向があり、今作でも必要のない、話をつまらなくするようなどんでん返しが目立ちます。
リンカーン・ライムシリーズも六作目。マンネリ化も気になるところ。このシリーズは大傑作の「ボーン・コレクター」と常に比較されるのがつらいところ。これがディーヴァー作品じゃなきゃ、単純に楽しめる内容ではありますが、こっちのハードルがかなり高くなってるんですよね。

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2006/11/05

ナイトフォール

Nightネルソン・デミルの新作「ナイトフォール」出ました。上下1000ページの大作ですがあっという間に読みおわりました。
デミルといえば、ベトナム戦争時代のアメリカ軍の戦争犯罪を描いた、大ベストセーラー「誓約」が有名です。今回の新作では1996年に実際に起こった旅客機TWA800の墜落の謎に挑みます。前半部分はほぼノンフィクション。果たして事故なのか、陰謀なのか?そして後半はあの貿易センタービルの悲劇につながります。デミルさん、自分で関係者にインタビューしたりして、取材にかなりの時間を費やしたようです。この作品、デミル最高傑作との評判もあるんですが果たして・・・

NY州ロングアイランド沖で航空機TWA 800便が爆発墜落した。事故原因は機器の故障として調査は終了したが、テロ、軍の陰謀など異説は鎮まらず、連邦統合テロリスト対策特別機動隊のジョン・コーリーが真相究明に立ち上がる。海面から出現し飛行機に向かったという謎の光とは何か!?巨匠デミルの挑戦状。
結論からいうと、「ナイトフォール」はジョン・コーリーを主役にしたシリーズの最新刊という感じで、次の刊に続いていくので、この一作だけじゃ評価出来ないっす。前作「王者のゲーム」同様、事件が解決せず唐突に終わる感じは否めないです。1000ページもがんばって読んだんだから謎解きしてよ! 「王者のゲーム」「ナイトフォール」も非常に面白いんですが、読みおわった後は続きが知りたくて、欲求不満になります。

本国アメリカでは続編発売間近らしいので、早く翻訳してほしいっす。

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2006/09/14

シャッターアイランド

4152085339久々の本紹介はデニス・ルヘインの「シャッターアイランド」です。

精神を病んだ犯罪者のための病院で女性患者が謎のメッセージを残し、姿を消した。鍵がかかった病室からどのようなトリックを使って脱け出したのか?そしてその病室には「ローオブフォー」(4の法則)なる暗号がのこされていた。連邦保安官テディは病院に赴くがある事に気をとられ、捜査ミスをおかす。妻を殺した男がここに収容されていたのだ。ボストン沖の孤島に建つ病院で惨劇が始まる。挑発的仕掛けのサスペンス。

新書発売時には最終章と解説は袋とじになっていたそうな。今回発売された文庫版も、背表紙の解説が暗号になっていて面白そうだったのと、「衝撃の結末!」と帯にも書いてあったのでさっそく購入。読み始めました。
僕みたいにすれた読者になると、「衝撃の結末!」と書かれただけでいろいろ先読みしてしまう。今回も途中でオチが読めてしまいました。どうせなら真っさらな気持ちで最後まで読みたかったなー・・・

ストーリーに触れると、ネタばれになるのであまり書きませんが、ところどころに伏線張りまくりでよくできた小説です。あっという間に読了。リーダビリティはかなり高いです。好き嫌いはあるでしょうけど。
ルヘインというと、「ミスティックリバー」に代表されるような本格派の作家ですが、今回もそう思って読んでいるとびっくりしますよ。

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2006/05/20

ヒストリアン

巨人戦の解説が堀内前監督って微妙でしたねー。今年の巨人は去年と何が違うのかっていう話題があまり出ませんでしたね。監督が代わって強くなったんだもん、その話題は気まずいですよね。

Historian話題といえば、歴史ミステリー「ヒストリアン」を読みました。全米ベストセラー第一位になって、映画化も決まっているようです。あの大ヒット「ダヴィンチ・コード」に続く作品とみられているようで、書店では平積みになっています。読んでみての感想。

長すぎます。上下巻併せて1000ページなんですが、テンポが悪すぎます。500ページで十分。

串刺し公といわれたヴラド・ツェペシュの墓を探すという謎解き要素と、ヴラド・ツェペシュがほんとに吸血鬼だったというホラー要素が混ざり合った作品なんですが、キリスト教最大の謎に挑んだ「ダヴィンチ・コード」に比べるとヴラド自体が地味だし、ホラーとしても恐くない。ものすごく中途半端な作品です。。

主人公である私、父親の僕、父親の恩師であるロッシ教授(文中では私)の三人の一人語りで構成される本文も非常に読みづらい。一人称で書くなら主人公は一人にしてほしい。三人称で書けばいいのに。しかも、父は娘に、教授は父に宛てた手紙の形式で書かれてますが、その手紙が長すぎます。時には30ページ近くにも及ぶことも。そんな長い手紙あらへんやろー。封筒に入らないがな。

この構成ともったいぶった文章になかなか馴染めず、序盤は何の話かまったくわかりませんでした。それに、ヴラドについての説明が足りないんですよね。大半の日本人は「ドラキュラ」のモデルぐらいの認識しかないと思うんですが。欧米ではそんなに有名人なんですかねー。だいたい、本当に彼は吸血鬼だったのよー、っていわれてもねー。

正直、なんでこの作品がベストセラーになるのかさっぱりわかりません。翻訳がいまいちなのかも知れないですけど。「ダヴィンチ・コード」みたいなウンチクを期待して読むとかっがりします。

(この先ネタバレ)

最大の不満はクライマックスです。ついにヴラドの墓を捜し当てた父と恋人。ヴラドにさらわれた教授はすでに吸血鬼に成り果てていた。教授に自らの手でとどめを刺し、ヴラドとの対決に向う父。吸血鬼の不死の力を利用しようと二人をつけねらっていた秘密警察の人間も合流し、いよいよドラキュラと対決!

と思いきや、この展開でドラキュラ出てこないんですよ!なんかドラキュラの手下はチョロっと出てくるんですが。普通この展開だと、登場したドラキュラが一暴れして、秘密警察を殺したりして主人公大ピンチが普通ですよね。さらっーとこの場は終わって、秘密警察も主人公をあっさり解放してくれちゃうんです。

ほんとのラストにドラさんがやっと登場したと思ったら、一ページももたずにしゃべる間もなく倒されちゃいます。ドラさん弱すぎ。

900ページもひっぱってそりゃないでしょう!
この小説を通して言えることですが、主人公がまったく窮地にたたない。だから恐くもないし、面白くもないということです。

金返せ!

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2006/03/11

女王陛下のユリシーズ号

海洋冒険小説の古典的傑作、アリステア・マクリーンの「女王陛下のユリシーズ号」を読みました。投票をすれば、だいたい冒険小説部門の1位に選ばれる傑作です。

海水が氷片となって男たちの顔をたたきつけた――が、大英帝国海軍の名誉にかけて、不撓不屈の男たちの海軍魂は火と燃えて、ドイツ軍のはげしい攻撃に立ち向かった! 『ナヴァロンの要塞』でイギリス冒険小説の第一人者となった作者がはなつ、英国軍艦ユリシーズ号の波瀾万丈の大冒険譚!

高校の頃に読み始めて序盤で断念した記憶があります。今回ほぼ20年ぶりにリトライです。

第二次世界大戦当時、援ソ連物資船団にとってドイツの戦艦「ティルピッツ」は大変な脅威だった。そこで連合国側は、囮船団FR77でティルピッツをおびき出し、一気に叩こうという作戦を立て実行に移します。その囮船団の護衛船が巡洋艦「ユリシーズ」なのですが、このユリシーズは過酷な航海で乗組員達が反乱を起こし、その懲罰として囮船団に選ばれたのでした。ユリシーズに残された道はソ連まで敵の攻撃をかいくぐり、主力艦隊と合流することのみ。果たしてユリシーズ号は無事にソ連までたどり着くことが出来るのか・・・

やはり序盤は読みづらく、登場人物が多いためまったく頭に入ってきません。また断念しようかと思いましたが、我慢すること150ページ・・・・

やっとストーリーに集中できるようになってきました。俄然面白くなってきたのです。
史上最大級の嵐、Uボート、爆撃機などが船団に次から次へと襲い掛かり、1隻1隻と沈没、戦線離脱していくのです。その描写たるや壮絶の一言。次々と斃れていく仲間達。これでもかとばかりに試練がユリシーズに襲いかかります。中盤にして武器のほとんどを失ったユリシーズ。しかし、そこは敵の支配する海域。ドイツ軍の攻撃の手は緩むことを知りません。もうほとんど船の原型をとどめないほど破壊されたユリシーズ。それでも男達は諦めることなく突き進みます。いったい何が彼らを突き動かすのか。
極限の状況の中で戦い、散っていく男達の姿は涙を誘います。そして物語はクライマックスへ・・・

いやー、噂にたがわぬ名作でした。読み終わった後は、しばし呆然。「プライベート・ライアン」に匹敵する傑作だと思います。最後まで読んでよかった・・・

作品としては、非常にとっつきのよくない文章、登場人物の多さ、序盤のあまりのつまらなさ・・・など欠点がかなりあるので、万人向けではないと思いますが、興味のある方はぜひご一読を。

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2006/02/02

ジャッカルの日

jackal最近新刊で面白そうなのがなかったので、フレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」を十何年か振りに再読。当時、浪人で時間を持て余していた僕は(勉強しろ!)徹夜で読破した記憶があります。映画化されていてそちらも観たので、プロットに関しては結構覚えておりました。よく覚えているということもあって再読は二の足を踏んでいたのですが、読んでみて面白さを改めて実感。

暗号名ジャッカル‐ブロンド、長身、ひきしまった体躯のイギリス人。プロの暗殺屋であること以外、本名も年齢も不明。警戒網を破りパリへ…標的はドゴール。計画実行日“ジャッカルの日”は刻々と迫る!

今回もあっという間に読んじゃいました。非の打ち所のない傑作です。暗殺を計画し実行に移そうとするジャッカル、それを阻止しようとするルベル警視達プロフェッショナルの行動をノンフィクション風の文体で描いていきます。本書は三部構成になっていますが、いよいよ暗殺実行の日が近づく、第三部「暗殺の解剖学」は一気読み必至。まさにページを捲る手がもどかしいという言葉がぴったり。未読の人はぜひ読んでみてください。
フォーサイスの作品は虚実入り混じり、どこまでが本当で、どこからが作り物かわからないといわれています。第三作「戦争の犬たち」で自分の描いたストーリーそのままに、実際にクーデターを実行しようとしたっていうくらいですから・・・
何かの書評で、その辺の現実とフィクションの混ざり方が絶妙で、それが魅力なんだっていう風に書いてありました。[史実]に[もしも]をかけあわせる才と評しています。
果たしてルベルはジャッカルを阻止することができるのか!っていったって、結果はわかってますよね。ドゴールは暗殺されないんですから。その結果のわかったお話をこうまで魅力的に描けるっていうのは確かにすごいですよね。
あー、面白かった・・・
次はこれまた歴史的傑作「ゴッドファーザー」を読みまする。

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2006/01/23

高い砦 その二

いやいや、毎日寒いですねー。今日の朝になっても、歩道に雪が残ってました。滑る滑る(汗)。駅に着くのにえらい時間がかかりました。
寒いといえば、バグリィの「高い砦」を読み終わりました。アンデス山脈が舞台の冒険小説の古典です。以前、絶版のところを「セブンアンドワイ」でなんとか手に入れたのですが、活字の小ささにゲンナリし、結局読んでませんでした。ところが、今月になって復刊されていたので、購入し読み始めました。アンデスに不時着した飛行機の乗客達が生存をかけて、共産主義者達と戦うというストーリーです。何せ乗客達はほとんどが戦争未経験。重装備した敵に立ち向かうわけですが、その武器が傑作。不時着した場所の近くの集落から部品を集め、石弓や投石機を作り、銃に対抗します。弓といっても破壊力抜群で、放たれた矢は鉄板を貫きます。未知の武器での攻撃に敵も慌てふためく。この辺のくだりが面白いんです。銃を持った兵隊に、素人達が古代の武器を手に対抗するんだから、つまらないはずがありません。
さらに乗客のうちの三人がアンデス山脈を越え、助けを求めに旅立つんですが、この道程が壮絶です。高山病に苦しんだり、雪崩で生き埋めになったり、寒さに苦しみ凍傷になったりで、読んでるほうが息苦しくなる程。
果たして乗客達は生き残ることができるのか?ということで、話は進んでいきます。後半は一気読みでした。クライマックス辺りが少し強引な感じがしましたが、面白かったです。1965年の作品ですが、こうゆうのを今映画化したら、すごい作品が出来そう。
バグリィの他の作品も読んでみたいんですが、「高い砦」以外は絶版状態。復刊望む!

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2005/12/25

模倣犯 読了

mohou5読み終わりました、『模倣犯』。後半はほぼ2日に一冊のペースで詠み進みました。
いやー、重かった・・・ 内容もボリュームも重かった・・・
いわゆる「シリアルキラー(連続殺人犯)」モノっていうのは過去何冊か読んでましたけど、読んでいくうちにここまで暗い気持ちにさせられる小説は読んだことがないです。犯人、警察の心理の書き込みがすごいんですが、被害者の家族の書き込みもそれ以上にすごい。虚構の世界とはいえ、読んでいくうちにこちらにも「犯人憎し」の感情が芽生えていきます。海外のスリラーでは『ハンニバル』に代表されるように、殺人鬼がヒーロー扱いされることが多いんですよね。でも実際問題、そんなことはあるわけもなく、『模倣犯』では犯人達はエゴの肥大した利己的な人間で、憎むべき対象として描かれてます。被害者側から見たら、犯人がヒーローであるはずもなく、それを被害者側からの書き込み量を多くすることによって、読者に認識させようとしています。いってみれば、スリラーのアンチテーゼみたいなもんですかね。さすがという感じです。
ただ、ストーリー進行の過程で登場人物同士が偶然に巡り会うっていう展開があまりに多いような気がしました。1回くらいならまだしも、2回3回とつづくとちょっとドッチラケになっちゃいますよね。
まぁ、欠点としてはそれくらいのもので、読み物としてはかなりお勧めです。
テーマが重いので、単純に「面白い」では済まされない感じですね。続けて読んでいると犯人達の毒気にだんだん侵されて陰鬱な気持ちになってきてしまいます。
文中出てきますけど、こういう事件を考えるときに男っていうのはなかなか被害者サイドから考えるのがむずかしいですよね。女性作家ならでは観点からの作品かなって感じがしました。

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2005/12/16

模倣犯その2

mohou3『模倣犯』3巻まで読み終わりました。だんだん話の続きが気になって3巻は一日で読破。3巻を読み終わった後、「なんでここに4、5巻がないんだぁー!」と叫びました。幸い4,5巻は22日発売との事。うまくいけば21日には店頭に並んでるかも。早く続き読みたいっす。感想は全部読んでから書きますけど、あまりに悲惨な話すぎて読んでると気が滅入ってきました。僕はこんな酷い犯人達はきっちり天罰を下して欲しいと思っているのですが、どうなりますかね。
ちなみに表紙はスティーブン・キングなどの作品の表紙で有名な藤田新策氏。この人の表紙はいいですよねー。表紙だけでもついつい買いたくなっちゃうし、読んだ後表紙を見返すと、「あー、あの場面か」と思わずニヤリとしちゃう、小説中の一場面を表紙にもってきたりしてるんですよね。『模倣犯』でも3冊の表紙は作品中の一場面を使ってるんですが、それが作中のイヤーなシーンばっかりなんですよ。見るたび思い出しちゃう。あぁー、絵はきれいで好きだけど、内容はイヤーという不思議な感じ。

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2005/12/07

模倣犯

mohouもはや国民的作家、宮部みゆきの『模倣犯』が文庫で登場。普段はハードカバーを買うのをためらう方ではないのですが、数年前発売されたハードカバー版の厚さに引いて購入を断念したのですが、文庫になれば持ち運び可能っつーことでまず1巻を購入。文庫版は全部で5冊。3冊が12月に出て、1月に残り2冊が出ます。

公園のゴミ箱から発見された女性の右腕は、連続女性殺人事件の犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯に挑む、右腕を発見した少年と孫を殺された老人を待ち受ける運命とは? 魂を抉る驚愕と感動の3551枚!  公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される、事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。
いま1巻の半分くらいを読んだところ。まだ十分の一くらいしか読んでないと思うと、完読までの道のりの長さを思い知らされます。『火車』『理由』も読みましたけど、それほど面白いって感じはしなかったけど今回はどうですかね。『火車』も『理由』も身近に潜む落とし穴みたいで身につまされる話なんですよね。好みの問題かも知れませんけど、せっかくなら読んで「あぁー、面白かった。」で終わりたいですよね、現実世界では嫌な事件が毎日起きてるし。

今回の作品は連続殺人事件がテーマ。日米のスリラーなんか読み比べると、アメリカは犯人が最後は死んで、日本は捕まりますよね。国民性の差ですかね、これは。ハリウッド映画では悪役の死に方が見せ場の一つでもあります。
『ザ・ロック』では、悪役の一人がロケットに引っかかったまま飛ばされて、途中で転落、転落した先に鋭くとがった杭があってそこに串刺し。もう一人は主人公と揉み合った挙句、神経ガスのカプセルを口の中で割られて、顔を溶かしながら、もがき苦しんで死んでいく、という日本人ではとても思いつかないようなやられ方をしました。一方日本の場合はほとんどの作品が、犯人逮捕でめでたしめでたし。どっちが良い悪いはないんですが、悪い奴はド派手に死んだほうがスカッとしますね、個人的には。『模倣犯』では犯人がずいぶん悪そうな奴ですが、どんな結末を迎えますか・・・・

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2005/12/03

誘拐の果実

kajitu冒険小説の傑作『ホワイトアウト』の真保 裕一の『誘拐の果実』が文庫化されました。この作家、『ホワイトアウト』以外は読んだことなかったけど、『ホワイトアウト』が相当面白かったのでひさびさに読んでみる事にしました。2002年文春のミステリーベスト10で2位になったそうです。昨年話題になった『犯人に告ぐ』はいまひとつでしたけど、どうでしょう?

逆転につぐ逆転、衝撃と興奮の傑作巨編。 病院長の孫娘が誘拐された。犯人の要求は、病院に身を隠す財界の大物の命。挑戦か陰謀か? 悪魔のゲームの幕開けか!? 前代未聞の人質救出作戦が始まるなか、第二の誘拐事件が…。

今の上巻を読み終わって、下巻に突入したところです。
なんかこう面白くないんですよね。犯人の緻密に練られた計画に沿って話が進んでいくんですが、進行していく過程で、予想外の大トラブルが起きない。誘拐ものの醍醐味って綿密に練られた計画が、小さな綻びから破綻していくところですよね。犯人の計画通りに進むにしてももうちょっと紆余曲折があってもいい。まだ読み終わってないんですが、この小説のプロットのツボは犯人の予定通りに事件が進むことにあるんじゃないか、そう思うと途中で犯人の正体がわかってきちゃうんですよね。
もうちょいハラハラドキドキがあってもいいと思うんです。
宮部みゆきの『模倣犯』買っちゃったし、下巻読み続けるのしんどいなー。

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2005/10/07

ホステージ

hostage今日家に帰ったら光太朗がすでに寝ていた・・・ ショック・・・
今回の書評は『ホステージ』。
ブルース・ウィリス主演の映画の原作です。帯に惹かれて買いました。

死ぬのは人質(ホステージ)の姉弟か、自分の妻と娘か。

凶悪強盗犯たちが立て籠もったのは特別な屋敷だった。内部には姉弟とその父親、そして抱えきれないほどの札束。厳重な警備システムの要塞からいかに人質を解放するか。沙汰にできない館の秘密とは。
人質解放の交渉が行われる中、タリーの妻と娘が何者かに誘拐された。要求は、凶悪犯が籠城する家から機密データを持ち出す手引きをすること。何重にも交錯する思惑、極度に高まる緊張――人質を見殺しにしてしまった過去を断ち切って、タリーは全員を救出する手段を探る。心が痺れる一気呵成のサスペンス


映画化されただけあってなかなか面白いです。特に、主人公の家族が誘拐された後半になってからはページをめくる手が止まりません。それだけで小説としては良いと思うのですが・・・
DVDが11月後半に発売されるということなので、映画のほうを観ればよかったかなっていう感じです。
何かの書評にも書いてありましたが、「映画のシナリオを読んでるみたい」と言ってしまえばそれまでです。
あえて時間割いて小説を読むほどでもないかなと・・・・
なんでそう思うかといいますと、まず主人公を含めたキャラクターたちがあまりにステレオタイプ。映画にしたらこの点は問題ないんでしょうけど。次に、クライマックスがあまりに映画を意識しすぎて、小説だからこその見せ場である心理描写がいま一つ。映像的なんですね。
ならば映画でもいいかなっていう感じはします。

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2005/09/22

ネタバレですよ

読み終わりました、マイケル・クライトンの新作「恐怖の存在」。
なかなか衝撃的な内容でした。読んでいて「これは誤訳じゃなかろうか?」と我が目を疑うような内容でした。
読もうと思ってる方はここから先は読まないで下さい。
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「温暖化問題なんて存在しない。」
作中の人物は言い放ちます。おいおいおい・・・ だって毎年東京は暑くなってますよ。
と誰でも突っ込みたくなりますよね。しかし東京を含めた都市部が暑くなっているのは「ヒートアイランド現象」。
「温暖化」とは別の次元の話です。
「ヒートアイランド現象」とは、都市部に人口が集中し、エアコン・アスファルト・高層ビルの影響で都市部の気温が上昇すること
それに対して「地球温暖化」は二酸化炭素量の増加により、温室効果が生じ地球全体の気温が上昇すること
「ヒートアイランド現象」が原因で郊外のほうまで気温が上がったとしても、それは二酸化炭素の増加とはなんの関係もない。
言われてみればこの二つの違いってかなりあいまいでした。「ヒートアイランド現象」=「地球温暖化の一現象」みたいに捉えてました。さらに続きます。
○南極の氷河が解ける映像が温暖化問題ではセットで使われますが、地球上にある氷河は16万。これらを把握することは不可能で実際解けているかはわからない。南極に関していえば寒冷化している。
○異常気象が増加しているという事実はない。
○種の絶滅が進んでいるというが、地球にどれだけの種がいるかわからないのに、絶滅のペースが進んでいるとは言えない。
○そもそも温暖化というが、地球の気温が上がっているという事実はなく、100年前の温度観測データは現在のものと比較して信用の置けるものとは思えない。都市部のデータはアスファルト、コンクリートなどによる影響を加味し補正を加えているので、補正の仕方によってデータの捉え方が変わってくる。
○温暖化に影響を及ぼすほど二酸化炭素量は増えていない。
とまぁ、僕の中の常識を覆すような文章が並びます。
さらに、「京都議定書」の通り二酸化炭素の削減を行ったとしても、2100年までに下がる地球の温度は0.04度!(←もっとも、やらなかったら何度上がるかは書いてませんでしたが・・・)

まさに目からうろこ。ストップ温暖化!などと声高に言ってますが、実際問題「地球温暖化」のことについて詳しく知ってる人なんてあまりいない。なのに何かあると「温暖化」のせいにしちゃう。何でもかんでも「温暖化」のせい。
その姿勢が怖いと作者は言います。ろくに議論もしないで、莫大なコストかけて、たいした効果のない対策を行う。しかも、今「温暖化」防止策に待ったをかけると、アメリカみたいに袋叩き。誤った方向に突き進んでいると作者は憂います。
確かに僕もろくな知識もなしに心配ばっかり先走りでしたねー。
もちろん環境保護は続けていかなくてはいけない。それは二酸化炭素削減だけではないってことですねー。
作者は言います。この先地球に何が起こるかなんて予想できない。人間の知識はそこまで発展していない。
思い上がってはいけない!
確かに明日の天気予報も外れるんだもん。100年後のことなんて誰もわからないですよねー。
いやー、しかし勉強になったなー。おかげですっかり寝不足だ。

と、小難しそうなことを並べてきましたが、ストーリーは映像化を意識したサービス満点のハラハラドキドキのノンストップスリラーです。
ただ帯に「ジュラシックパークをしのぐ!」って書いてありますけど、これは誇張です。今回の作品は「温暖化」の説明に力を入れすぎたのか、プロットは少し弱めです。特に作者の弱点といわれる人物造詣がいつにもまして冴えがありません。主人公は常に受動的で、リーダー格に終始振り回されます。展開も最後まで巻き込まれ型で、主人公が決意して悪と立ち向かうということがあまりありません。
とはいうものの、さすがクライトン、凡百の作家たちをはるかに凌ぐ作品になってます。興味のある方はぜひご一読を。

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2005/09/16

クライトンの新作

state_of_fearマイケル・クライトンの新作「恐怖の存在」が出ました。クライトンといえば、映画にもなった「ロストワールド」で恐竜絶滅の謎に挑み、絶滅の原因は恐竜たちのふるまいそのものにあったとし、わが世の春を謳歌する人類に警鐘を鳴らしました。また「エアフレーム」では低価格競争、過密ダイヤの末、航空機の安全性の低下を引き起こし、それによって事故が多発すると予言しました。
そんなクライトンが今回取り組んだテーマは「地球温暖化」。地球温暖化の原因=二酸化炭素増加に真っ向から挑み、温暖化問題で利益を得ている人間がいるとしているそうな。「美味しんぼ」でたびたび取り上げられる捕鯨問題(美味しんぼでは、捕鯨禁止は科学的根拠に乏しく、日本叩きに他ならないとしている。)と似た構図なのかしら?作品を読んだら報告しますね。いまから読むのが楽しみ。
クライトンといえば、うんちくスリラーの名手。うんちくスリラーとは、人に自慢したくなるような蘊蓄満載のスリラーのこと。読んで勉強になりしかも楽しい。そんな小説です。僕が勝手に作った造語ですが(^o^;。今回も蘊蓄満載で楽しませてくれることでしょう。

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ディーヴァーの新作

kemonoドンデン返し職人の異名をとるジェフリー・ディーヴァーの新作が出ました。ディーヴァーといえば、『ボーンコレクター』を始めとする『リンカーン・ライム シリーズ』が有名ですが、今回はノンシリーズで作者初の歴史モノです。
その名も『獣たちの庭園』。

舞台はナチス全盛、ベルリンオリンピックに沸く1936年ベルリン。ニューヨークの殺し屋が潜入する。その目的はナチス・ドイツ高官暗殺。しかし現地工作員との接触の際に誤って人を殺してしまい、刑事警察(クリポ)から追われる身となる。

今、半分ほど読み進んでますが、純然たる冒険小説です。なので『リンカーン・ライム シリーズ』のようなドンデン返しの連発を期待するとがっかりしますが、冒険小説としてはかなり高いレベルに仕上がっております。ただ、700ページ近くあり、この内容にその枚数はいらないでしょ!って感じもしないでもないですが・・・・
それにしても、ナチスドイツってほんとに小説の悪役にはもってこいですねー。実際、そうとうひどいことしてるんでナチスの悪役達(ヒットラー、ヒムラー、ゲッペルス、メンゲレ・・・)が出てくるとストーリーに緊迫感が出ます。だからナチスモノには傑作が多いんですが、もう使い古されたジャンルでもあります。だからあえていまさらナチスモノに出を出して、しかも賞まで貰っちゃうディーヴァーの手腕に拍手です。

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2005/08/28

家庭の医学

一家に一冊、「家庭の医学」。光太朗が生まれたんで、とりあえず買っときました。
索引を見てると、医学用語ってなんでこんなに漢字が難しいんでしょう?
漢字見てても何の病気か想像もつかないです。
皆さん、なんの病気かわかります?

肝斑

かんぱんと読みます。しみのことです。

尋常性痤瘡

じんじょうせいざそう。にきびです。

疣贅

ゆうぜい。いぼのことです。

こうやって打ってるときも、IMEパッドフル活躍です。もう常用漢字ですらないんですよね。
こんな漢字誰も読めません。

索引をさらに読んでると面白いのがいっぱい出てきます。

「マリオットの盲点」
ミステリーのタイトルみたいですが、これは生理的盲点のことで、要するに眼球に視神経がくっついているところは
網膜がなくて視力がないんですが、本来は自覚しない。それが視野の欠けているところで、死角となって現れるんです。

「レックリングハウゼン病」
これ一回で覚えられたらすごいっすね。エレファントマンが罹ってる病気です。

「モヤモヤ病」
名前からするとたいしたことなさそうな病気ですけど、脳への血流が不足して麻痺、けいれん、嘔吐などを起こします。正式名は「突発性ウィリス動脈輪閉塞症」。これも長い・・・

「ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群」
3人で話し合って一つの名前にしなさいよ・・・

さすがにわかりにくいっつーことで、最近は病名に人の名前を使わなくなったんですが、採用されたのが頭文字です。
COPD
PTSD
SARS
AIDS
などなど・・・
上記のものは比較的有名なものですが、知らなきゃ頭文字では想像もつきません。いいのやら、悪いのやら・・・

医学用語ってかなりとっつきづらいですよね。覚えるのが大変だ。
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2005/08/24

旭屋書店も・・・

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届きました。「高い砦」。デズモンド・バクリイの傑作です。今、「鷲は舞い降りた 完全版」を読んでいるので、終わったらさっそく読みまっしょい。
話は変わりますが、仕事帰りにちょくちょく寄っている渋谷の旭屋書店が今月いっぱいで閉店するそうです。10年前、渋谷でバイトしていた頃から時間つぶしや、本の購入にはかなり使っていた本屋なので、かなり痛いです。駅のホームからそのまま店に入れるので、渋谷の雑踏を歩かなくて済むという利点があったのですが・・・
ここ数年、渋谷には大型書店が何軒かできたので、それが主原因とは思うんですが、ほんとに本が売れないんですねー。旭屋はそんなに漫画に力入れてないんですよ、それも大きいかもしれません。それにしても、あんな大手が閉店とは・・・景気が悪いから本が売れないっていう話はよく聞くんですが、「はじめの一歩」は通算7000万部、「美味しんぼ」は1億部ですよ。いい年こいたおっさんが「少年ジャンプ」読んでるのもよく見ますし、ゲーム攻略本がベストセラーランキング1位になる国ですから、活字離れは深刻ですよね。

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2005/08/19

名作が次々絶版

早川書房の名作がどんどん絶版になってます。最近また過去の名作を読み始めたんですが、本屋に買いに行っても、早川文庫の棚にお目当てのものが全然ないんです。しょうがないのでアマゾンで注文しようとしたら、どれを見ても絶版の二文字。絶版になっている作家はマクリーン、バグリィー、レビィンなどの大物作家達。彼らの作品はオールタイムベストをやれば、必ずベスト10に入るものが多いんです。それも絶版です。日本でいえば、新潮文庫で司馬遼太郎が絶版になるようなもんです。バグリィーの「高い砦」はなんとかセブンアンドワイで手に入れたんですが、レビィンの「ブラジルから来た少年」は古本を買うしかない状況。本が売れないとは聞いてましたが、まさか老舗の早川書房がこんなことになっているとは思いませんでした。早川は過去の海外の名作がかなり充実してるので(というより版権独占ですから)、復刊してくれないともうあの名作たちを読むことが出来ません。復刊望む!

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2005/08/09

マラソンマン

marathon
名作「マラソンマン」が復刊になりました。確か浪人中に読んだのですが、引越しの時に古本屋に売ってしまっていたので、懐かしさもあってついつい購入。さっそく読みました。面白かったです。っていうか、一度読んだ本をなんでこうも覚えていないんでしょう・・・・ ちょっとがっくし。
「マラソンマン」といえば、ダスティン・ホフマン主演で映画化されています。歯を削って、中の神経をつんつんする(もちろん無麻酔です。)拷問シーンがあまりにも有名なので、ご存知の方も多いでしょう。歯医者嫌いにはたまらない拷問ですねー。ちなみに歯の中の神経を無麻酔で刺激される痛みっていうのは、人間が感じる痛みの中で3本の指に入るくらいの強さらしいです。
最近、読んだ海外の小説ははずれが多かったので、久々のヒット。それにしても何でここまで読んだ本を覚えていないんでしょうか。浪人中といえば、3日に1冊のペースで、勉強もせず本を読みまくっていた頃。面白い本はほぼ徹夜で、買ったその日のうちに読んでいたから、内容を覚えていないのは当然かも。
「マラソンマン」を読み終わった今、今度はまた浪人中に読んだ「オデッサ・ファイル」を読んでおります。これまた面白いんですが、内容を全然覚えていません。
っつーことは、昔読んで面白かった本はだいたい再読OKっていうことなんですよね。読む本が増えてうれしいんですが、大半売るか捨てるかしちゃってるんですよね。もったいないなー・・・

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2005/07/20

真相はいかに・・・・

sinsou

パトリシア・コーンウェルの『真相』が文庫になっていたので購入しました。当代きっての売れっ子作家コーンウェルが私財7億円(!)をなげうって、「切り裂きジャック」の正体を暴いたっていう内容でハードカバー発売時にはずいぶんと話題になってました。普通この手の本は、こんな事件の時にこの人物はこんなだったから犯人に違いないという感じで進んでいくんですが、この『真相』ではいきなり犯人の名前出ちゃいます。しかもそこそこ名の知れた芸術家らしいっす。コーンウェルはDNA鑑定などをして自信満々らしいんですが、違っても本人は弁解できません。
まだ読み始めて間もないんですが、この本の中で気になる文章がありました。犯罪者の前頭葉は、一般人に比べて極度に活動性が劣っているというんです。つまり犯罪者の前頭葉は動いていないと。前頭葉は人間の理性的な行動を支配しているところです。その前頭葉の動きが悪いから、犯罪者は常人では考えられないような凶悪な犯罪に走るっていうんですねー。脳の動きが違うんじゃ凶悪犯の気持ちは僕らには理解できるわけないですね。前頭葉の動きが悪くなるっていうのは先天的な事もあるんでしょうが、外傷が原因でなることもあるそうな・・・
光太朗には「でこピン」はやめておこっと・・・・

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2005/04/18

止まってもうた

先日紹介したダン・ブラウンの「デセプション・ポイント」。上巻はスイスイ読み進んだのだが、下巻の途中で止まってしまいました。なぜ止まってしまったかというのを説明するのに、あらすじを紹介します。未読の方はここから先は読まないで下さい。

国家偵察局員レイチェルの仕事は、大統領へ提出する機密情報の分析。現在、ホワイトハウスは大統領選の渦中にあり、現職と争っている対立候補は、なんと彼女の父だった。選挙戦はNASAに膨大な予算を費す現政府を非難し、国民の支持を集めている父が有利に進めていた。そんなある日、レイチェルは直々に大統領から呼び出される。NASAが大発見をしたので、彼女の目で確かめてきて欲しいというのだ……。

レイチェルが連れて行かれたのは北極。実は地球外生物の存在を示す隕石が見つかったっていうんです。でもって今から隕石を氷の中から掘り出すっていうんですよ。ちょっとこのあたりから心配になりますよね。何しろ大統領選がらみですから、隕石から出たウイルスが暴れるサイエンス・フィクションでもなさそうだし、隕石が出てきたから大統領選の裏側を暴くポリティカル・サスペンスでもなさそうだし。その隕石にどうやら細工がされているらしいって主人公が気づくあたりから、命を狙われるんですが・・・ 

あーた、その細工がなんと、隕石をどっかから持ってきて氷棚の下から氷を溶かして埋めたっていうんですよ!

がーん!こりゃ近頃話題の馬鹿ミスってやつですよ。しかもその隕石も宇宙から落ちてきたんじゃなさそう・・とかいうとこで止まってるんですが、あーた、自分で広げた大風呂敷、自分で否定していってどうするんですか!
文庫でも良かったんでないかしら、この本・・・

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2005/04/05

新作出た!

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いま話題騒然、「ダヴィンチ・コード」のダン・ブラウンの新作「デセプション・ポイント」が出ました。子供に夢中で発売したのを知らなかったんで、明日さっそく買いに行こうと思います。

不幸な紹介の仕方をされる作家が多い中、ダン・ブラウンは処女作の「天使と悪魔」から順を追って、発売されてます。スティーンブン・ハンターの四部作なんか出版社もバラバラで、しかも第2作から発刊されたんですから・・・ ダン・ブラウンの本を読み始めたきっかけとしましては、「ダヴィンチ・コード」が世界的ベストセラーになっていて発売予定なのだが、これはシリーズ第2作のためまず第1作の「天使と悪魔」が先に発売されるというので、「ダヴィンチ・コード」が出る前に読んでおかなくちゃっていうことだったんです。おととしの時点で、もう「ダヴィンチ・コード」は話題になっていたのです。

「ダヴィンチ・コード」は特集も組まれていて、みなさんもよくご存知でしょうから、ここでは触れません。ブラウン=ダヴィンチ・コードみたいな図式になってますが、なかなかどうして「天使と悪魔」だって面白いですよ。次期教皇選を迎えたヴァチカンを舞台に繰り広げられるアクション、謎解き・・・なかなかタイムリーですよね。まるで観光ツアーみたいな「ダヴィンチ・コード」に比べると、ストーリーもしっかりしてますし、終盤に向けて盛り上がりもあるし。未読の方はこちらもどうぞ。

さて新作の「デセプション・ポイント」ですが、今回は前作とはガラッと趣を変えて、舞台がホワイトハウスだそうです。大統領選を話の軸に、陰謀と駆け引きが繰り広げられるそうな・・・ ん?こんなに趣旨変えて大丈夫なのかいな?
まぁ、ブラウンのことですから、ウンチク満載の徹夜本に仕上げてくれてるでしょう、きっと。明日から読むぞー!
ただハードカバー上下巻なんですよねー。面白い本はハードカバーで発売されるとは知っていても重さと値段がねー・・・

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2005/03/26

活字中毒

200503272131000最近活字中毒悪化中。とにかく時間が出来ると、何か読まずにはいられません。昔から活字中毒だったんですが、最近はほんとにひどくなりました。ほぼ週一のペースで文庫読破しとります。何かこう強迫観念に駆られるように読んでます。何でかといいますと、
子供産まれる→夜鳴きに悩まされる→昼眠い→電車も爆睡→本読めない・・・・ 
とまぁ、頭の中で構図が出来上がり、読書に駆り立てられるのでしょう。
今のうちに読んどかないということで、現在活字中毒中。

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